うそラジオ アルバムジャケ解説 第2回『MISSLIM』

 うそラジオのアルバムジャケ解説コーナー(「ジャケなベイベー!」)、第2回はやっぱりMISSLIMでした。

MISSLIM

MISSLIM

【内容メモ】
 川添さん(象郎)の強い希望により、「モノクロでバシっとポートレイトを撮る」というコンセプトで、青山のベルコモンズの真裏あたりにあった梶子さんのアパルトマンで撮影した。鉄筋なんだけど外観がタイルとか日本ではない感じの建物で、中2階に上がっていくと踊り場みたいなところから50畳ぐらいのリビングが見渡せて、そこにピアノが置いてあった。オルゴールのように自動演奏もできるピアノ。
 着ている服はサンローラン。黒いロングドレスに見えるけど、上はカットソー。前も後ろも深くV字に開いていて、肩のところで白のプラスティックのリングがストラップを留めている、すごく高級なタンクトップのようなもの。下は厚地のサテンのマキシ丈スカートで、白のボタンで前開きになっていた。靴は銀色だった。
 コンセプトに徹していて、カラー写真は撮らなかった。
 アルバムタイトルはミス・スリムと自分で付けたら、川添さんに縮められた。収録曲に関係ないアルバムタイトルは初めてではないかと思う。

 ユーミンはタンタンの話するとき案外他人事というか、距離のある口ぶりだよなと思う。ズズがあれほどタンタン、タンタン言っていたのに比べると、ということだけど。ズズはユーミンのこと意識したろうな。こんなジャケまで撮ってもらって、アルバムの詞も完璧だもの。ズズが諦めた絵まで描いちゃうしね。
 誰か言っていると思いますが、『ひこうき雲』『MISSLIM』まではすべての曲にメロが2つずつしかなくて、それがすべて一メロ入魂というか一筆書きみたいに完璧に決まっていて、どちらも本当に凄すぎるアルバムです。

 ミス・スリムという語感から、ふと思ったのだけど、「私のフランソワーズ」はフランソワーズ・アルディのことだとされていますが、「フランソワーズ」という名前の音にはやはりサガンのイメージも重ねられていたのではないかと思う。そしてサガンローカライズしたようなアイコンといったらズズかなと思う、村井さんが言っていたことだけど。「私のフランソワーズ」をサガンやズズを思い浮かべて聴いても趣あるかなと思いました。